読書の記録(2011年8月)

★★★☆☆ 誰からも「気がきく」と言われる45の習慣


人間関係の中でごく当たり前に行われているべきであることのまとめ。要するに相手の気持ちになって考えようって言う基本に繋がる。読みながら改めてもう少し意識しよう。と思えた点も幾つがあり、いい機会にはなった。

★★★★★ アントキノイノチ [単行本]


命の大切さをテーマに展開されるごくごく普通の日常風景。様々な社会問題を物語に取り入れ、とても深い一冊となっている。とてもいい本。

★★★★★ 国難に克つ 論戦2011


菅直人が首相になることに始まり、中国との尖閣諸島における対立、震災などといった数多くの国難を抱えたこの年。いかに今の政府が危ういか、いかに今の日本の情勢が緊迫しているかと言うことを指摘する。日本の今の政治情勢、国際情勢を、中立に学び理解する上で、とても素晴らしい一冊。

★★★★☆ 新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)


この本を通じて、島秀雄という人をしった。信念を持って、愚直に努力を続け、ヒーローになることをしない彼の姿に心を動かされた。戦後日本の技術者達のプライドとそれを支えた底力がひしひしと伝わってきた。本書では、技術的な解説も度々入り鉄道界の雰囲気は伝わってきたが、その部分がどうしても文章の中で浮いてしまっている気もした。

★★★★☆MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)


ソニーの創業者、盛田昭夫を知る上でおそらく最もふさわしい本。彼の生い立ちに始まり、ソニーの理念、発展がとても事細かに記されている。戦後、焼け野原からソニーが世界のソニーになり得た所以がわかる。国際人であると共に、日本人であることの誇りを常に持ち、挑戦し続けてきた彼らの姿が手に取るように分かる。

★★☆☆☆ソニー ドリーム・キッズの伝説


盛田昭夫氏が1990年に書いたMade in Japanと比較し、アメリカ人視点によるこの書は個人的にあまり読んでいて心地の良い物ではなかった。ソニーが戦後の焼け野原から世界の大企業にのし上がった過程にあった、日本人としてのプライドの扱い方が少しぞんざいに感じた。読むのであれば古くはあるがMade in Japanを強く推したいところ。

★★★☆☆人生心得帖


松下幸之助が人生を通じて学んだ様々なことを章ごとにまとめて書いている。とてもおおらかな彼の人格がよく伝わってくる一冊。自分の成功を鼻にかけず、常に感謝と共にいる姿が宮沢賢治のアメニモマケズを彷彿させる。

★★★★☆大義の末 (角川文庫 緑 310-8) [文庫]


戦時中、「大義」を心の底から信じ、国のために命を尽くそうと誓った少年達。終戦後に便宜上の形としてだけ残った「天皇」という存在に対して葛藤する。愛国心を語る人ほどとても軽く、本当の意味で「天皇」を敬愛したかつての少年達はその変化に動揺する。戦後の日本全体の左翼への傾倒ぶりは当然問題であるが、それと同じように「皇太子様」などとワイドショーネタにされるそのあり方や、何も考えずに極度な右翼に走ろうとする近年の一部の傾向に対して改めて疑問を呈する機会となった。