読書の記録(2011年7月)

★★★★☆ オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)


悲観主義者、楽観主義者を実験を通じて解き明かす。あらかじめ、自分の力で自体を変えられることを学んでいれば、無力感に陥らずにすむ。人生の早い段階でこれを学べば学ぶほど、無力に対して有効な免疫力をつけることができる。ということを立証。本書では動物の無気力学習に始まり、現代病とも言われる鬱の根本的な対処法に迫る。単なる自己啓発本に終わらず、様々なデータに基づいた解説が興味深かった。

★★★☆☆ イチローの哲学―一流選手は何を考え、何をしているのか


オリックス時代、イチロー選手の専属打撃投手であった奥村氏の目線から語られるイチロー像。そして、そこから多くの影響を受けた、彼自身の人生や考え方が書かれていた。良かったが、「イチローの哲学」と題する割には少し中途半端な印象。

★★★☆☆ 思考する機械コンピュータ (サイエンス・マスターズ)


amazonの評価が良くて購入。残念ながら、大学レベルの勉強をした人に取ったらあまり読み応えはないだろう。ただ、コンピュータ科学や情報工学の入門書には丁度良いと感じた。簡単すぎず、深入りもしすぎず、大まかな全体像をつかめるだろう。コンピュータとは何か。どんなことを学ぶのか。そんなことを知りたい人にお勧め。

★☆☆☆☆ アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者


アップルとグーグルという2大IT企業の個性に焦点を当てている点は良いが、こじつけがましく、あまりにも無理矢理な結論が目立ち、気分良く読み進めることができなかった。なんとなく、この二つの会社がどんなものか適当に知りたいだけの人、或いは“信者”などと言われるような人たちにはには面白く映るかもしれないが、正直得た物は無かった。

★★☆☆☆ 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義


評判が良かったから読んでみたものの、正直自分には価値が分からなかった。"Thinking outside the box"なんてことはどの分野でも当然のごとく言われていること。様々な分野から実例を元に、主張をサポートしている点は評価できるが、その話の殆どはある程度最新の話題に目を通している人にすれば真新しさに欠る。また「有名な実験映像」と紹介されたバスケットボールの錯覚の話も、Daniel Simonsのオリジナルの実験を知っているが故に今更感や、「熊?」などと疑問を覚えたりもした。しかし確かにタイトルの示すように、10代の人が読む分には、読みやすくもあり、なかなかの良書ではあるのかもしれないと思った。

★★★★☆ イチロー式 集中力


イチローの発言をベースにしたイチロー式集中力の解説本。15分もあれば一通り目を通せるような本。しかしそれは悪い意味ではなく、しっかりとポイントの整理がなされ、結論も明解にまとめられているという意味。それぞれの結論を表現する図もよかった。

★★★★☆ この一言が人生を変えるイチロー思考―夢をかなえる一番の方法 (知的生きかた文庫)


この本がというよりも、様々なイチローの発言がイチロー像を強く目に浮かばせる。
「もがいても、もがいても、何を考えても、何トライしてもダメなときが人生にはあると思うんですけど、そういうときこそ、自分に重荷を課すということが、必要だと思うんです。自分はできないかもしれないけど、それをあえてやるぞっていうことは、すごく大事なことだって、最近思いますね。」(イチロー)

★★★☆☆ 常識として知っておきたい日本の三大宗教―神道・儒教・日本仏教 (KAWADE夢文庫)


三大宗教の歴史的背景やしきたりなど、さらっとおさらいする感じ。タイトルにもあるように「常識として知っておきたい」ことを連ねる教科書的な位置づけ。個人的にはもう少しテーマ性を持った流れでまとめられていたらよかったと感じた。

★★★☆☆ ザ・グーグルウェイ グーグルを成功へ導いた型破りな戦略


googleの手法をビジネス的視点から分析してまとめた本。常識にとらわれないgoogleのやり方に、エンジニア心がワクワクさせられた。