社会心理学4: Perceiving Persons: 人の認知
動画イントロ
動画の中では黒い服を着た人と白い服を着た人とがそれぞれボールをパスしあっています。
ここで、白い服を着た人が何度ボールをパスするか数えてください。
結果、面白い人間の知覚の限界に気がつくことができます。
social perception (社会的知覚)
社会的知覚 new look psychology
物や状況がどのように知覚されるかは
知覚者の主体的条件(情動・欲求・構え・過去経験等)によって大きく変わりうる.例:ブルーナーの実験
子ども達に五種類の硬貨をそれぞれただの円板と比較させた
硬貨の方が大きく知覚され,硬貨の価値が高いほど,子どもの家庭が貧しいほど,硬貨は大きく知覚された。∴知覚者にとって価値のあるものや欲求の対象となるものは知覚されやすく(知覚的促進)、
知覚者にとって価値の無いもの,不快なものは知覚されにくい(知覚的防衛)。※ロールシャッハ・テスト(投影法による人格検査の1つ)
刺激図版に対してみられる被験者の主観的体制化(意味づけ)は、知覚において主体的条件が作用してる例
- 人がお互いを理解しあうプロセスの全体的な用語
- 他の人はどうである。など、評価する。
- 4つのセクションに分けられる
- 人、状況、行動
- どうやって人々は行動を説明し解析するか
- 説明を関係する他人の印象に取り込む
- 人間の印象によって歪めかねない現実
- 無意識のウチに、自分が見たかったり聞きたかったりしたことを相手が行ったと認識する。
- あらかじめ人を、自分の中の期待や想像にはめて見ているから。
- 例:同じ試合でも、相手チームと味方チームとでは見え方が異なる。
observation(観察): 社会的知覚の要素
- 本をカバーの印象で決めること
- Wills & Todorov (2006)
- 同じ人の顔写真を0.5秒見せて得た印象と、好きなだけ見せて得た印象にほぼ差異はない。
- 一瞬で印象はできあがるということを説明
- Hassin & Trope (2000)
- 顔写真によって性格を診断させる
- 顔が丸い人は優しそう。などの結果が得られた。
- あらかじめ「この人は優しい人です。」と写真を見せておけば、同じ実験で、その写真の人と似た特徴を持っている人を「優しそう」と答える傾向がある
- 人は、性格によって他人の顔を覚えている。
- 顔写真によって性格を診断させる
- behavioral evidence
- 人の行動から、その意味を察し、その人の内心を探る
- 例:上司の行動が荒っぽくブツブツひとりごとを言っているようであれば、どうやら彼は今機嫌が悪いと察し、休暇のお願いは明日にしようと考える。
- nonverbal behavior
- 言葉なしで人の感情を明らかにする行動
- facial expressions, body language, vocal cuesなどを通じて。
- 言葉なしで人の感情を明らかにする行動
6 universal facial expression
- anger, fear ,disgust, surprise, happy, sad
- Caveat: 同じ国民や、民族、宗教グループなど、近い人間の表情の方が的確に感情が伝わりやすい。
- アメリカ的な表情:中国からの移民でも、長くアメリカに過ごせば過ごすほど、その正確さは上がる。
表情は不可欠
- 故に、メールやネットの世界では人々は顔文字を使ったりして、正確な気持ちを伝えようとする。
それらの表現を完全には理解しきれない
- affect blend (感情混合)
- いくつかの感情が混ざっていることもある。
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- 嬉し驚き
- 文化によっても違う
- display rulesが異なる
- 日本では女性が爆笑することは非常識。口を抑えたりして、出来る限り感情を抑える。
- 中東など、アイコンタクトや見つめることも無礼だと捉えられる国もある
- personal space
- アメリカ人とかは満員電車とか許せない人が多い
- emblems
- 指でやるOKサインや、逆ピースサインなど。
- display rulesが異なる
implicit personality theory(暗黙裡のパーソナリティ理論)
暗黙裡のパーソナリティ理論(implicit personality theory; IPT)は、ブルーナー(Bruner,J.S.)らが提唱した概念。暗黙の性格観、暗黙のパーソナリティ理論など訳語は様々ある。
人が他者の性格(パーソナリティ)や、性格と関連する属性間の相互関連について漠然とした形で抱いている考え方や信念の体系である。
例えば、血液型や外見と性格の関連、ステレオタイプ、「暗い人は神経質」というような性格特性の相互間に仮定された関連性などが含まれる。
- 人々が推定するtrait(特徴)と行動との関係のネットワーク
- ある一定のtraitが彼の他のtraitを連想させる。
- Asch(1946)
- "知的、才能がある、勤勉、''優しい''、本気の、経験のある、慎重な"
- "知的、才能がある、勤勉、''冷たい''、本気の、経験のある、慎重な"
- という人を説明する言葉が与えられたとき、前者の場合「寛大」「面白い」などの他の性格が連想されたのに対し、後者の場合「よそよそしい」などの性格が連想された。
- central traits: 強い影響力を全体的な印象に与えるtrait
- dispositional(属性的) traitがcentral traitになり易い。
- 「中心特性」と「周辺特性」
全体印象の成立には各特性語が均等な重みで寄与するのではなく、「温かい」「冷たい」のように中心的きのうを果たす特性(中心特性)とそうでない特性(周辺特性)がある。
Jones & Davis(1965)
- correspondent inference theory
- 人々は、人の行動が、その人の性格から引き起こされたのか、そうでないかを推測する。
- 募金する人が必ずしも他の場面でも良い人であるとは限らず、性格と行動は必ずしもつながっているとは限らない。
- 3つの要因
- degree of choice
- その人が、他に選択肢がなくてその行為を行ったのか、たくさん他の選択肢がある中でその行動を選んだのか。
- expectedness of the behavior
- その行為がどれだけ期待されていることなのか
- intended effects or consequences of the behavior
- 例えば、助けようとして人を助けたのか、たまたま結果として助けたことになったのか。
- degree of choice
attributions: from elements to dispositions
- attribution theory: a description of the way in which people explain the causes of their own and other people's behavior.
人が他者の行動の原因をいかに判断するかについて説明した認知に関わる代表的理論
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- internal attribution 内的帰属 (personal attribution)
- the inference that a person is behaving in a certain way because of something about the person, such as attitude, character, or personality.
- e.g: いつもクラスに遅れてくる人を見て、とても怠惰な人だと考える
- external attribution 外的帰属 (situational attribution)
- The inference that a person is behaving a certain way because of something about the situation he or she is in; the assumption is that most people would respond the same way in that situation.
- e.g: いつもクラスに遅れてくる人を見て、恐らくすぐ前にクラスを取ってて間に合わないだけで別に怠惰じゃない。と考える。
- internal attribution 内的帰属 (personal attribution)
Bias in attributions
- fundamental attribution error(correspondence bias)
- the tendency to infer that people's behavior corresponds to their disposition (personality)
- 根本的な帰属のエラー fundamental attribution error Ross, 1977
社会的行動の原因を推測する際、状況や環境といった外的要因を十分に考慮しないで、行為者の属性や特性といった内的要因に過度に帰属させる一般的な傾向のこと。
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- because of perceptual salience
- the seeming importance of information that is the focus of people's attention.
- e.g. Taylor & Fiske (1975)
- because of perceptual salience
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- AとBに向かい合わせて均等に割り振られたセリフをいわせたところ、傍観者は、彼と向かい合わせになっていた話し手の方が話の主導権を握っていたと認識した。
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model of attributionの変化
- もともと、behaviorに対してある人はinternal attributionを、ある人はexternal attributionを行うと考えられていたがそうではなく、behaviorを認知したのと同時に誰の中でもinternal attributionは起こる、そして、理解する努力をした場合のみexternal attributionも行う(two-step process of attribution)。
- analyzing another person's behavior first by making an automatic internal attribution and only then thinking about possible situational reasons for the behavior, after which one may adjust the original internal attribution.
Bias in Attributions
- actor-observer bias (行為者−観察者バイアス)
行為者−観察者バイアス actor-observer bias Jones & Nisbett, 1972
行為者は自分自身の行為の原因を外的要因に、観察者はその同じ行為の原因を行為者の安定した内的要因に帰属させる傾向がある。
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- The tendency to see other people's behavior as dispositionally caused but focusing more on the role of situational factors when explaining one's own behavior
- e.g ある人が試験で悪い点数をとった際に、とった人は問題が悪かったと文句を言うが、周りの人は勉強してないオマエが悪いんだよ。とか思う。
- self-serving bias
セルフ・サービング・バイアス self-serving bias
成功は自分に帰属し、失敗は環境に帰属するというように、自分にとって都合のよい帰属をすること。
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- explanations for one's successes that credit internal, dispositional factors and explanations for one's failures that blame external, situational factors.
- e.g. テストでいい点をとったら自分が頑張ったおかげだと思い、テストで悪い点をとったら問題が悪かったと非難する。
- defensive attributions
- explanations for behavior that avoid feelings of vulnerability (脆弱性) and mortality
- 言い訳を作って自分の行為を正当化すること
- belief in a just world
- a form of defensive attribution wherein people assume that bad things happen to bad people and that good things happen to good people.
- いじめられてる人は、きっといじめられるようなことをしてたんだろう。自分はそんなことしないからいじめられない。みたいな。
- explanations for one's successes that credit internal, dispositional factors and explanations for one's failures that blame external, situational factors.
Integration: from dispositions to impressions
- impression formation (印象形成)
対人認知の主要な側面の1つ。
容貌・声・身振り・風評など、他者に関した限られた情報を手がかりとして、その人物の全体的なパーソナリティを推論すること。
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- process of integrating information about a person to form a coherent impression
- 関連:Acsh
- information integration theory
情報統合理論 information integration theory Anderson,N.H. 1968
個々の特性語の代数的結合で印象を説明。
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- impressions are based on
1. perceiver dispositions
- different people will have different impressions of the same person
- because we typically use ourselves as the basis for comparison
- also, our mood affects our evaluations
- 嫌なことが度重なると、些細なことでもイラッとしたりするようになる
- characteristics we notice changes
- 例えば、電車で奇声を発してる人を見ると頭おかしいんじゃないのか。とか思うけど、もしその人がお酒を右手に持ってたら、あ、ただの酔っ払いか。と思う。
2. a weighted average of a target person's traits
- Not all people are created equal
- extroversion (外向性), emotional stability, openness to experience, agreeableness, and conscientiousness.
- some easier to judge than others (like extroversion and emotion stability)
- trait negativity bias:
- netative traits stand out more than positive ones; more perceptual salience
→impression is biased and unique to each person.
Confirmation Biases: from impressions to reality
- confirmation bias(確証バイアス)
ある考えや仮説を評価・検証しようとする際に、多くの情報の中から、その仮説に合致する証拠を選択的に認知したり、判断において重視したりする傾向のこと。仮説に都合の悪い情報は無視されやすい。
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- tendency to seek, interpret, and create information that verifies or confirms existing beliefs
- belief perseverance(信念耐久)
ある信念が誤りだと分かっても、自分なりの説明を持っている人はその信念を保持する傾向がある。
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- tendency to maintain beliefs even after they have been discredited
- simply thinking about an idea strengthens belief
- by asking for alternatives we can reduce belief perseverance
The processes of social perception
- 一瞬の判断によって印象は’形成されるが、観察をすることによって人、状況、行動などを見極め、様々な帰属によってdispositionsを考え、そしてinformation integration theoryによってimpression formationを行う。そして、それによるconfirmation biasによって改めて観察する。